シャツの名称Details【ワイシャツのディテール】
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Collar
❶衿
❷衿先
❸衿台
❹ボタン -
Front of the shirt
❺袖山
❻アームホール
❼ポケット
❽前立て
❾袖
❿下前身頃
⓫上前身頃
⓬ボタンホール
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Backof the shirt
⓭ヨーク
⓮プリーツ
⓯後身頃
⓰剣ボロ
⓱ガントレットボタン
⓲ガジェット
⓳カフス
⓴ヘム
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Collar
①:衿
衿羽ともいう。様々な形があり、顔の輪郭や首の太さ、スーツとの相性、目的やタイの結び方によってデザインが変わる。チェックポイントとして、左右対称であることが絶対条件。また衿の内部には芯地があり、接着芯とフラシ芯がある。柔らかな風合いを楽しむならフラシ芯で、指でつまんで中が接着していないものがそれである。 -
Point
②:衿先
衿の先端部分。剣先ともいう。剣先の開く幅によってワイドカラーなど名称が異なる。またポイントが長いものをロングポイント、短いものをショートポイントという。良い衿の剣先はシャツの身頃に触れていて、首を回転させても浮き上がらない。 -
Collar stand
③:衿台
衿羽を支えているバンド状の部分で、台衿・衿腰・衿足ともいう。内側の首と触れる部分をカラーバンドと称し、外側をネックバンドと呼ぶ。第一ボタンが2〜3個のものは台衿が高くなっており、ネクタイの厚みや幅にも関係している。また台衿の無いものに、イタリアンカラーや開衿シャツがある。
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Button
④:ボタン
台衿に付いている部分が第一ボタン。通常ドレスシャツには貝ボタンが使用され、通常は2mm厚だが、高級なシャツほど厚みのあるボタンを使用している。厚みがあれば片手ではめやすくなるのと、貝自体の希少性が理由である。さらにこだわると、第一ボタンは堅い台衿に付いているため掛け外しがしにくく、他のものよりも少しだけ薄いものを使用している。 -
Sleeve cap
⑤:袖山
袖山の高い袖は動きづらく、袖山の低い袖は動きやすいと一般的にいわれる。しかし実際のところ、袖山が高すぎると腕が引っかかって上がらず、低すぎると腕を上げたときに脇が引っ張られる。高級なドレスシャツは袖山を高くし、いせ込みをして後付する。肩先に適度な運動性能を入れるため、高度な仕立ての技術が必要となる。 -
Arnhole
⑥:アームホール
袖付けには脇を縫製する前に袖を付けてしまう方法と、身頃を縫った後から袖を付ける後付の方法がある。袖山の低いカジュアルシャツは先に付けるのが一般的だが、袖山が高いドレスシャツはいせ込みでふんわりと仕上げるため後付にされる。この後付けしたタイプの袖をセットイン・スリーブと呼ぶ。
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Pocket
⑦:ポケット
欧米ではシャツは下着から派生したものであり、下着にポケットは不要とされている。そのためポケットは基本的にドレスシャツにはつかないのが原則。しかしビジネス用のシャツにはあれば便利という理由でついているものが多い。だがものを入れたときに上着に響くので、使わない方がスマートである。ポケット口の縫い止まりがほつれないように補強している手法を閂止め(かんぬきどめ)という。 -
Placket
⑧:前立て
前立てには大きく3種類有り、表前立てが最も一般的で、ドレスシャツにもカジュアルシャツにも使用される。イタリアやフランスのシャツには裏前立てが多く、特にワイド系の衿型にフレンチフロント(裏前立て)との相性が良い。ウイングカラーなどのフォーマルなシャツやモード系シャツには、表からボタンが見えない比翼前立て(フライフロント)が良く使われる。 -
Sleeve
⑨:袖
服の袖(スリーブ)にはたくさんの種類がある。誰でも知っている袖には、「長袖」「七分袖」「五分袖」「半袖」など。長袖は手首が隠れるほどの長さの袖。七分袖は肘が隠れるくらいの長さのことで、英語で言うと「スリー・クォーター・スリーブ(4分の3丈)」。五分袖は肘が隠れない程度の長さ。半袖も肘が隠れない程度の長さだが、三分袖から五分袖の間までをさし、意味は広め。また一般ワイシャツの袖に見られるような、身頃と袖を後付けしたタイプの袖をセットイン・スリーブと呼ぶ。
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Front body
⑩⑪:前身頃
身頃とは衿や袖に対して胴の部分を総称する。前部のことを前身頃、後部を後ろ身頃と呼び、それぞれ「前身」「後ろ身」と略称される。前身頃には上前身頃と下前身頃があり、上前身頃にはボタンホール、下前身頃にはボタンが付いている。男性は左が上、女性は右が上となる。日本人男性は胸板が薄いため身頃や肩幅が狭い方がフィットする。 -
Buttonhole
⑫:ボタンホール
ハンドワークを駆使した高級シャツは手縫いで細かく丁寧にかがられるが、ほとんどは機械でかがられている。フロントの一番下のボタン穴には横や斜めにあけられている場合があるが、それは腰の動きに応じて横方向の力に対抗するため。また、最後のボタン穴の向きを変えることでボタンの掛け違いを防ぐという意味もある。 -
Yoke
⑬:ヨーク
肩から背中にかけての切り替え部分。本来は身体にフィットするように左右の布の分量を調節して両肩にフィットさせるためのもの。ヨーク面積が狭いほどドレッシーに仕上がり、広いとカジュアルに見える。後ろ中心に切り替えのあるものはスプリットヨークといい、柄生地の場合、パターンが合っていることが必須である。
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Pleat
⑭:プリーツ
背中の運動量を補助するために入れるヒダ。プリーツ(折り畳み縫い)には3種類あり、両肩にタックを入れたサイドタック。高度な縫製テクニックを要する、ギャザータイプ。ボタンダウンのシャツには、背中中央に入れるボックスプリーツ(センターボックス)と細いループが付いている場合が多い。ちなみにこのループがハンガーループの起源だといわれる。最近のスリムシャツには、プリーツを入れず、後身頃のウエストを絞ったダーツ(つまみ縫い)を入れている。 -
Back body
⑮:後身頃
背中のヨーク下から裾までの部分。「後ろ身」と略称される。この後身頃は、腕の動きに関わり、着心地を左右する大事なパーツで、後身頃にダーツやプリーツをとることで動きやシルエットが異なる。シャツを買うときは、プリーツや背ダーツに注目すると、着心地やシルエットをイメージするのに役立つ。またスリムシャツに使われる背ダーツは、お腹周りが苦しく感じる場合、ダーツを解いて緩めることもでき、ミシン跡もアイロンをすれば見えなくなる。 -
Sleeve placket
⑯:剣ボロ
シャツの着脱や袖まくりが便利になるように、袖先につけられた切り込み部分に短冊状に付けられた細長い布。先が剣の先ようにとがっていることから、こう呼ばれている。剣ボロの裏側にも裁ち端が出ないような丁寧な縫製をしているものが良く、メーカーの良心がここに顕れるといっても過言ではない。また剣ボロ部分のボタンはガントレットボタンと呼ばれる。
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Gauntlet button
⑰:ガントレットボタン
シャツの剣ボロについた小さいボタンのこと。ガントレットとは、昔、騎士たちが装着していた籠手(こて)風の手袋のこと。上質のシャツには必ずこれがつけられる。このボタンがあることで袖口周りのだぶつきが押さえられてフィット感が増す。このボタンはかつて軽く袖口を折り返す時、カフスボタンのボタンホールに留めるためのものであったが、今では凝ったシャツの目印とされる。 -
Gadget
⑱:ガジェット
ガジェットとは、前身頃と後身頃の合わせた裾の部分を、縫い目が裂けないように付けた補強する布。イタリアではムーシェともいう。縫製技術が未熟な時代にはこの部分からシャツが裂けることが多かったため、それを防ぐために付けられていたものであった。形状も三角形、五角形、六角形などさまざまなものがあり、裏から布をつけるものや、縫い代に挟み込むものがある。 -
Cuffs
⑲:カフス
袖口を留めるバンド状のパーツ。本来は「カフ」と呼ぶが、通常複数形で呼ばれる。単なる袖口を留めるという役割だけでなく、衿と同様にシャツの顔となる部分。シングルカフスやダブルカフス、ターンナップカフスなどさまざまな形状があり、用途によって使い分けられる。またカフスから袖につながる部分の、プリーツ(襞)が多ければ多いほど仕立に手がこんでいる証拠であり、袖のラインも優雅に表現される。
→カフスの種類